人工股関節置換術後に膝が悪化するケースとは?

現在、当院に通院している70代の女性の方がいらっしゃいます。

この方は10年前に両側の人工股関節置換術を受け、

術後の痛みが取れたことで元気に歩けるようになり、大変喜ばれていました。

しかし、ここ4年ほどで体の不調を感じるようになったとのことです。

術後は元気に動き回っていたそうですが、数年が経つにつれて、

おへその位置が徐々に右にずれるようになったことに気づいたとのことです。

また、ズボンを履いた際、右側の裾丈が上がってしまうという現象も起きていました。

この原因についてですが、人工股関節置換術によって痛みは緩和されても、

股関節が十分に伸びていないことが影響していると考えられます。

加えて、腰椎のあたりに側弯症が発生し、その部分が変形し固定化されていることも一因となっています。

その結果、足の長さに明確な差が生じている状態です。

確かに人工股関節置換術は痛みを取る上では有効な手段です。

しかし、変形性股関節症だった体が、手術によって完全に整うわけではありません。

術後も体のバランスを調整し続けることが必要です。

現在の整形外科病院では、手術後、生活が可能になった時点で早期退院を進める傾向があります。

特に2~3週間で退院できるという点が「メリット」とされています。

しかし、これが本当に患者さんにとってのメリットなのか疑問です。

過去には1カ月半の入院期間があり、そこから回復期病院でのリハビリを行うことも一般的でした。

しかし、医療費削減の名のもと、長期の入院が難しい時代になっています。

その結果、本来解決されるべき問題がクリアされないまま自然に任せてしまい、

数年後には悪化した状態となって残ってしまうケースもあります。

この方も現状を改善したいと考えながら、当院に通院されています。

すべての体の状態が整っているわけではありませんが、少しずつ体の変化を感じている段階です。

まずは、ご自身の体に起きていることをしっかり理解することが大切です。

そのためには、リハビリが不十分である場合、専門の整体院やリハビリ施設に相談することをおすすめします。

もし何か不明な点があれば、ぜひお気軽にご相談ください。


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