ひざだけ診ても答えは出ないことがいっぱいあります。
すべては新人時代にあります。
新人のころは、ある程度病名がわかれば
教科書の運動内容を実施していけばいいと考えていました。
しかし、教科書の内容ではほとんど効果を示さず
落ちこぼれの日々を過ごしていました。
本当に辛かった新人時代です。
しかし、大学病院では周りにいっぱいいい先輩がいました。
その方の治療をみて学ぶことがありました。
少しずつ、自分なりの理論が出来てきて
全身を評価し対応することが痛みの改善につながると結論がつきました。
五十肩の人をみていたころ、
肩の周りのマッサージを行い、
またアイロン体操(身体を前屈して手に重りをもってぶらぶらする体操)を
行いましたがまったく効果なく
悲惨でした。
しかし翌年からは下半身の柔軟性を取り入れると
あれだけ苦戦していた五十肩が
簡単に治ることを知りました。
これはほかの疾患でも同じです。
大腿骨頸部骨折後、手術をして退院まじかになると
反対のひざを痛める人が多くいました。
これは怪我した大腿骨ばかりに目を向けたせいで
怪我した足にしっかりと体重を乗せる練習をしてこなかったため、に起こったものです。
以前、ある回復期病院を退院した大腿骨頸部骨折の方を診ました。
この方は少し歩くと転倒の危険性があり、
近くで監視しないといけない状態でした。
介入し、全身評価と体重練習を取り入れることで
安定した歩行を獲得し、最終的には家族も安心して
一緒に買い物にいけるようになりました。
本当に全身を評価しないと問題は解決しないことが多いです。
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