膝の痛みと画像所見の関係について、改めて考える必要があります。
先日、70代の男性が来院されました。
医師からは「変形性膝関節症の初期段階」と説明を受けていた方です。
しかし、本人は強い痛みを訴えており、私が見る限りでは、画像上の変形度合いはそこまで重度ではありませんでした。
では、なぜこれほど痛みが強く出ているのか。
ここを深く考えることが重要だと思っています。
以前、東大の研究で次のような報告がありました。
変形性膝関節症(OA)のレントゲン重症度分類は5段階ありますが、
そのうち「初期OA」と分類される群では、痛みがない人が多かったというデータが示されています。
確かに、重症度が最も高いケースでは、痛みと画像所見がある程度相関することも否定できません。
しかし、初期〜中期レベルのOAであれば、痛みはコントロールできるケースが多いと私は考えています。
医療機関では画像所見が診断の基準として重視されます。
もちろんそれは大切な情報ですが、画像と痛みが完全に一致するわけではないという点は、
もっと広く知られるべきだと思います。
実際、現場で多くの患者さんを診ていると、
「変形がある=必ず痛い」
「変形が軽い=痛みも軽い」
という単純な構図では説明できないケースが非常に多いと感じます。
変形性膝関節症と診断されたとしても、過度に落ち込む必要はありません。
ただし、安静にしすぎることが良いわけでもありません。
適切に動かし、筋力や関節機能を整えていくことが、痛みの改善につながると私は考えています。

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