当院には変形性膝関節症を患った方が多く来院されます。
その中には、「軟骨がすり減っている」「年齢によるものだ」と説明を受け、
手術や再生医療を検討するべきか悩んでいる方も少なくありません。
しかし、変形性膝関節症の痛みが必ずしもこれらの要因だけで生じているとは限りません。
なぜそう言えるのかというと、これまで多くの変形性膝関節症の方を診てきた経験があるからです。
病院勤務時代には、パーキンソン病や神経難病の患者さまを診療する中で、
変形性膝関節症を伴うケースを多数見てきました。
その結果、膝の痛みによって運動が制限される方が多く、その運動するにあたってひざ痛は必須でした。
しかし、「変形性膝関節症=膝の痛み」と単純に結びつける考え方では、根本的な痛みの改善は難しいのです。
事実、変形があっても痛みが改善しているケースが存在するからです。
今回は、変形性膝関節症の痛みの主な原因について簡単に説明します。
膝の痛みの主要な原因
現在、膝の痛みに関するトピックの中で最も注目されているのが「膝蓋下脂肪体の痛み」です。
これは、摩擦抵抗によって脂肪組織に炎症が繰り返し発生し、結果として痛みを引き起こすものです。
また、膝の内側には太ももの内側を通る「伏在神経」があり、
股関節や大腿の内側の筋肉の硬さによって痛みが生じることがあります。
この場合、膝の内側から足の内側へと痛みが広がるのが特徴です。
さらに、「鵞足炎」というスポーツ障害も考えられます。
これは、背骨や股関節の硬さ、足首の可動性などが影響し、膝の内側に炎症が生じるものです。
その他にも以下のような問題が考えられます:
- 関節包(滑膜)の短縮
- 半月板の動きの悪化による「半月板の挟み込み」
- 膝の腫れやお皿(膝蓋骨)の動きの異常
これらの要因を適切に評価しない限り、膝の痛みの真の原因を特定することは困難です。
レントゲンだけでは判断できない
多くの方がレントゲンを見て「変形がある」「年齢のせい」と診断されます。
しかし、それだけで膝の痛みの原因を決めるのは適切なのでしょうか?
私は、こうした考え方には疑問を持っています。
変形自体を完全に修復することはできません。
しかし、変形によって生じる痛みは改善することが可能です。
そのため、「変形性膝関節症」と診断されても落ち込むのではなく、
適切なストレッチや運動を取り入れることをおすすめします。

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