昨日、府中市から60代の女性が来院されました。
階段を降りる際、膝を急激に曲げないように“ぴょんぴょん”と跳ねるような独特の歩き方になってしまう方でした。
これは膝の痛みを避けるために、膝周りの動きを過度にコントロールしながら降りる歩き方です。
少し表現が難しいですが、実はこのような歩き方の癖を持つ方は非常に多くいます。
目次
■ 痛みがあると身体は必ず「逃げる動き」を作る
膝に痛みがあると、身体は無意識に痛みを避ける動作を作ります。
- 膝を深く曲げないようにする
- 足を引きずる
- 階段で独特のステップになる
- 痛い側の足を後ろに引いて体重をかけないようにする
これらは防御反応ですが、問題は 痛みが取れても癖だけが残る という点です。
■ 痛みが取れても癖が残る理由
痛みがある期間が長いほど、 「この動きなら痛くない」という記憶が脳に強く残ります。
そのため、 痛みが改善しても“痛いだろう”という予測が残り、癖が続いてしまう のです。
■ 癖を直すために必要なのは「痛みのない動きの再学習」
癖を改善するためには、まず 痛みを取ること がスタートです。
痛みがある限り、身体は必ずかばいます。
しかし、痛みが取れた後に重要なのは、 膝を曲げ伸ばししても痛くないという体験を何度も積み重ねること。
▼ 実際に行うステップ
- 痛い側の足を一歩後ろに引く
- 前側の膝に軽く体重を乗せる
- 力で押さえつけず、膝の曲げ伸ばしをゆっくり繰り返す
- これを何十回か行い、「膝を緩めても痛くない」という感覚を脳に覚えさせる
この再学習ができると、階段の昇り降りが大きく変化します。
■ ただし“1回で治る”ことはありません
たまに「1回で良くしてほしい」と言われることがありますが、 正直に言えば それは不可能です。
- 長年の癖
- 数ヶ月続いた痛み
- 変形によるバランスの崩れ
これらを1回で改善することは、身体の仕組み上あり得ません。
膝の痛みや癖は、 段階的に積み重ねていくことでしか改善できない のです。
■ 膝痛で悩む方へ
焦る気持ちはとてもよく分かります。
しかし、膝の痛みと癖は「痛み → かばう → 癖 → バランスの崩れ」という流れで積み重なっています。
だからこそ、 痛みを取り、正しい動きを再学習し、段階的に改善することが最短ルートです。
膝は必ず変わります。 一緒に少しずつ積み重ねていきましょう。

コメント