脊柱管狭窄症に対する対応について

脊柱管狭窄症は、加齢とともに発症率が高まる疾患です。

60代では20人に1人、70代では10人に1人の割合で見られると言われており、

足のしびれや痛みを伴うため、多くの方が悩まれています。

私自身、多くの高齢の方々を診てきましたが、脊柱管狭窄症が付随しているケースは非常に多く見受けられます。

手術を受けた方もいれば、保存療法で対応されている方もおり、その対応は様々です。

一般的に、脊柱管狭窄症の方は「体を丸めると楽になる」と言われることがあります。

これは背骨を屈曲させることで脊柱管の空間が広がり、神経への圧迫が緩和されるためです。

しかし、私はこの見解に一部異論を持っています。

実際には、体を反らす(伸展する)ことで症状が改善する方も一定数存在しており、

私の臨床経験ではおよそ50%の方に有効だと感じています。

そのため、私は「そらす動作(伸展)」も積極的に指導しています。

最近では、脊柱管狭窄症の専門医の中にも、屈曲ではなく伸展を勧める方が増えています。

これは、伸展動作にも重要な意味があると再評価されてきているからです。

また、私が個人的に脊柱管狭窄症の進行度を見る際の指標として、以下の3点を確認しています:

  • 立位で腰が丸くなっているかどうか
  • 背部を後方から押した際の反力の有無
  • 上半身をひねった際、途中で動作が止まらないか

これらが複合的に現れると、私は脊柱管狭窄症が末期段階に近いと判断することがあります(あくまで私の臨床的見解です)。

このように考えると、背中が丸くなっている状態が「良くない」と捉えられることになり、

それは伸展動作を日常的に行っていないことの影響とも言えます。

ですので、皆さんもぜひ一度、体をそらす動作を試してみてください。もしかしたら、症状が少し和らぐかもしれません。


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