「膝が痛い時は、かかとから着地した方がいいですか?」
「つま先からがいいですか?」
「それとも足の外側から?」
患者様から、このような歩き方に関するご質問をよくいただきます。
結論からお伝えすると、これらに対する答えはすべて「意識して歩こうとすること自体が違う」ということです。
人の歩行は「無意識」で行われるもの
人間の歩行は、「歩こう」という最初の意思のほかは、脳や脊髄のパターンで自動的に動く仕組みになっています。これを専門用語で「脊髄の Central Pattern Generator(CPG)」と呼びます。
つまり、「かかとから着く」「つま先から着く」と意識して歩いている時点で、それは本来の「自然な歩行」ではなくなってしまっているのです。
意識的に歩こうとすると、どうしても身体のどこかに余計な力が入り、かえって痛みを引き起こす原因になってしまいます。
なぜ「意識させる指導」があるのか?
もちろん、変形性股関節症の方や特定の病態・リハビリの初期段階において、一時的に歩き方を意識して修正してもらうケースはあります。
しかし、根本的に状態を良くするためには、意識して歩かせるのではなく、脊髄のパターンジェネレーター(無意識の歩行運動機能)を正常に働かせるアプローチが必要です。
理想的なのは、あくまで「無意識に正しく歩けている状態」を作ることにあります。
痛みと歩き方のクセの関係
基本的には、膝の痛みが改善されてくれば、それに伴って歩き方の変なクセも自然と抜けていく方が多いです。
ですが、「また痛むのではないか」という不安や恐怖心が先行してしまうと、無意識のうちに痛みを庇う歩き方のクセが抜けにくくなってしまいます。
そのため、ただ歩き方を意識するのではなく、正しく動ける身体の準備を整えることが大切です。専門的な施術や適切な運動療法を通じて、無意識でもスムーズに歩ける状態を目指していきましょう。

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