当院ではよく、「膝の噛み合わせ」についてお話しすることがあります。
ただし、これは私自身の臨床経験に基づいた見解であり、一般的に根拠づけられた内容ではないことを、
あらかじめご理解ください。
私の中では、「膝の嚙み合わせ」という考え方があります。
これはどういう状態かというと、膝を完全に曲げたときに踵(かかと)とお尻が自然につく状態を
「噛み合わせが良好」としています。
この状態であれば、膝関節の可動域も良好と解釈しています。
しかし、実際にはこの噛み合わせが悪くなっている方が多いのが現状です。
膝を曲げたとき、踵とお尻の間に手の指が4〜6本分空いているなど、人によって差があります。
こういった状態では、膝関節に負担がかかりやすく、痛めやすいと私は考えています。
ただし、だからといって膝を無理やり曲げることが良いとは思っていません。
むしろ、まず「噛み合わせ」を良くすることが大切だと感じています。
そのためには、膝だけでなく、上半身を左右にひねる動作や、
足を持ち上げて反対側に倒すストレッチなど、腰〜お尻〜大腿外側の柔軟性を高めることが効果的です。
このような動作により、膝の噛み合わせが改善されやすくなるという経験があります。
さらに、膝関節まわりの柔軟性が改善された状態で、足首〜膝にかけての関節の中を丁寧に動かしていくと、
噛み合わせがより良好になり、膝の構造が正常な位置に戻ってくると感じています。
そして、この噛み合わせが整った状態になって初めて、脂肪組織へのアプローチが有効になります。
いきなり脂肪組織に対して施術するよりも、先に噛み合わせを整えることが、より効果的であると考えています。
特に私は、噛み合わせの乱れが「膝蓋下脂肪体」の痛みの原因になっているのではないかと捉えています。
したがって、膝の柔軟性向上のためには、上半身・下半身・足首の柔軟性を高めることで、
噛み合わせを良くしていくことが重要です。
無理に膝を曲げるのではなく、噛み合わせを意識しながら、
カラダをうまく緩めていくことが、膝の痛み軽減につながるポイントだと考えています。
ぜひ、みなさんもこの「噛み合わせ」という視点を意識していただければ、
膝の状態が改善されていく感覚を実感できるかもしれません。

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