先日、国分寺市より20代の女性が来院されました。10代の頃、スポーツ中に半月板を損傷しましたが、
当時は手術を必要としない程度との診断でした。
今年に入り就職し、立ち仕事を行う中で、膝に「引っかかる」ような違和感と音が気になり、当院にご相談いただきました。
顕著な痛みはないものの、明確に音と引っかかり感を訴えておられました。
通常「引っかかり」と聞くと、半月板損傷によるキャッチング症状が連想され、
専門書にも「手術適応の可能性がある」と記載されています。
しかし、本症例を注意深く診た結果、半月板テストでは陽性反応であるクリック音は確認されましたが、
今回の引っかかりはそれとはやや異なると答えていました。
しかし患者さんが寝て、ベッドから足を垂らした状態での膝を伸展する動作と症状の発現タイミングが一致しており、
詳しく見ていくと、原因は「膝蓋下脂肪体」にあるのではないかと予想されました。
実際に、この部位への治療アプローチを行ったところ、明らかに引っかかり症状の軽減が見られました。
このことから、半月板損傷が存在するものの、主な痛みと引っかかりの原因は膝蓋下脂肪体であると推定し、
現在も継続的にフォローしています。
2回の通院時点で反応は良好です。
これまでにも「引っかかり症状」で来院され、半月板損傷が疑われた方が複数名いらっしゃいましたが、
実際には半月板が原因ではなかったケースも多く、今回の症例を通して、脂肪体による症状の重要性が再認識されました。

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