膝の外側に痛みがあると聞くと、多くの方が「ランナーズニー(腸脛靭帯炎)」を思い浮かべるのではないでしょうか。
これは、腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)と呼ばれる組織が膝の外側で繰り返し
摩擦を受けることで炎症を起こすとされる疾患です。
当院にも膝外側の痛みを訴えて来院される方が多くいらっしゃいます。
しかし、実際にはランナーズニーが原因であるケースは少なく、別の要因による痛みであることが多いのです。
坐骨神経痛による膝外側の痛み
私が注目しているのは、坐骨神経痛による膝外側の痛みです。
坐骨神経痛は「症状名」であり、「診断名」ではありません。
その背景には、脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアなど、腰部の神経圧迫が関与している可能性があります。
しかし、これらの診断名に惑わされることは非常に危険だと私は感じています。
なぜなら、仮に椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症が原因だとされても、痛みが改善しないケースが多いからです。
画像所見と痛みは一致しない
画像診断によって得られる所見は、あくまで「構造的な情報」であり、痛みの原因と必ずしも一致するとは限りません。
これは、10年ほど前にNHKで放送された番組で、福島大学の腰痛専門・菊池先生が語られていた内容でもあります。
「画像所見だけで痛みの原因を判断することはできない」──私もこの言葉に深く共感しています。
腰由来の膝痛は改善可能
膝外側の痛みが腰部からの神経的な影響によるものであっても、それが治らないというわけではありません。
実際、当院では脊柱管狭窄症やその他の腰痛系疾患で来院された方が、
適切なアプローチによって痛みが軽減しているケースが多くあります。
画像にとらわれず、運動を
画像診断は参考にはなりますが、それだけに頼るのではなく、身体の動きや症状の変化を見ながら対応することが重要です。
痛みの改善には、運動療法や神経のリリースなど、積極的なアプローチが有効です。
まとめ
膝外側の痛みは、必ずしもランナーズニーによるものとは限りません。
腰部の神経的な影響による痛みも十分に考えられます。
画像所見にとらわれすぎず、症状の本質を見極めることが、改善への第一歩です。

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