先日、小金井市から来られた方が「私の膝の状態は重症ですか?」と尋ねられました。
では、膝の重症度とは何でしょうか?
確かに、変形性膝関節症が進行し、変形がひどい状態の方は重症と考えられます。
しかし、そうした重度のケースの方が当院に来られることは少ないように感じています。
ただ、それ以外にも「重症」と言える膝の状態の方がいるのも事実です。
私は、膝の重症度を「全身の状態を考慮した重症」と捉えています。
膝痛は膝だけの問題ではない
当院は膝専門の整体院ではありますが、診るのは膝だけではなく、背骨、股関節、足首などの状態も重要視しています。
これは、膝だけを見ていては膝痛を根本的に改善できないことを経験してきたためです。
実際、変形性膝関節症で重度の変形があったケースでも、膝の痛みが改善された例を数多く見てきました。
では、本当の「重症」とは何か?
私が考える重症度とは、以下のような全身の状態を指します。
- 背骨の柔軟性の欠如(特に回旋の柔軟性)
- 腰椎の前弯減少(背骨が硬くなっている)
- 腰椎の前弯不足(いわゆる反り腰の状態ができなくなっている)
また、以下のような状態の方も重症と考えます。
- 変形性股関節症によって股関節の可動域がほとんどない方
- 過去に足の骨折を経験し、足首が曲がらなくなっている方
全身の状態が膝に影響を与える
これらの問題があると、膝には常にストレスがかかり続けることになります。
さらに、膝だけでなく肩関節や股関節にも悪影響を及ぼす可能性があります。
そのため、私は膝だけを見て「重症度」を判定することはしていません。
重症度の例:体を支える力の低下
過去に当院に来られた国分寺市在住80代後半の方のケースを紹介します。
この方は高度なO脚で、10分歩くだけでも辛い状態でした。
また、体を支える筋力が低下し、すぐに前傾姿勢になってしまう状態でした。
年齢を重ねることで体力が落ちるのは自然なことですが、「体を支える力」がなくなると、
膝の痛みは動作の中で悪化することが多くあります。
このような視点を持って対応しなければ、膝の痛みを根本から改善することは難しいと考えています。
膝の痛みを改善するために
当院に来られる方は、比較的活動的な方が多く、電車通勤をされている方や30分ほどの歩行が問題ない方がほとんどです。
そのため、まずは 全身の柔軟性を高め、痛みが改善された後に適切な運動を行う ことが重要だと考えています。
こうした考え方を踏まえ、私は膝の「重症度」を判断しています。

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