変形性膝関節症に対する手術には、大きく分けて 高位脛骨骨切り術(HTO) と
人工膝関節置換術(TKA) の2つがあります。
高位脛骨骨切り術は、50〜60代の比較的若い方に行われることが多い関節温存手術です。
脛骨(すねの骨)を横方向に切り、角度を調整することで、
O脚によって内側に集中していた荷重を外側へ移し、膝関節への負担を減らすことを目的としています。
関節そのものは残るため、人工膝関節に進む前の選択肢として行われることがあります。
また、HTOを受けた後でも、数年後に人工膝関節手術へ移行することは可能とされています。
目次
手術の特徴と経過
- 骨を切る手術であるため侵襲が大きい。
- その影響で、体重をかけられるまでに時間がかかるとされています。
- 入院期間は 3週間〜1か月程度 が一般的です。
- 全体重をかけられるようになるまで6〜8週間かかると言われています。
- ただし比較的若い年代が対象となるため、部分荷重の状態で退院できる方も多いとされています。
生活への影響
関節が残るため、正座が可能になる方も一定数いると言われています。
しかし、実際には 正座が難しいままの方もいるのが現実で、個人差が大きい部分です。
手術のリスクと注意点
私自身、HTOの患者さんに多く関わった経験は多くありませんが、
・HTO後に数年経ってから人工膝関節へ移行した方
・HTOを受けたが骨癒合がうまくいかなかった方などの話を聞くことがあります。
特に、骨がくっつかない(偽関節)リスクは一定数あり、これは患者さんにとって大きな負担になります。
0〜4.4%
→ 100人中1〜4人程度のイメージ
→ 近年は固定具(プレート)の進化によりリスクは低下傾向
偽関節は「非常に多い」わけではありませんが、決してゼロではなく、臨床的には遭遇しうる合併症です。
一方で、HTOによって膝の内側への負担が減ることで、軟骨が部分的に再生したという報告もあり、
決して悪い手術ではありません。
まとめ
高位脛骨骨切り術は、
- 関節を温存できる
- 若い年代で人工膝関節を避けたい方に向いている
- ただし骨切りによるリスクや回復期間の長さがある
という特徴を持つ手術です。
だからこそ、メリットだけでなくリスクやデメリットを理解したうえで選択することが非常に大切だと思います。

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