先日、杉並区から60代の女性が来院されました。
その際、「電気治療を受けたら痛みが少し楽になった」とおっしゃっていました。
電気治療が“全く効果がない”というわけではありません。
しかし、変形性膝関節症に対する治療ガイドラインでは、電気治療のエビデンスレベルは高くなく、
基本的には推奨度が低いというのが現実です。
つまり、使い方をよく考えないと十分な効果が得られにくいということです。
電気治療の基本的な考え方
教科書的には、電気治療は「痛みの感覚を下げること」を目的としています。
しかし近年では、筋力強化を目的とした電気刺激(EMS)も注目されており、
シックスパッドのような市販機器も話題になっています。
学生時代、教員の先生が「ただ電気を当てるだけでは効果は出にくく、
必ず“意識させること”が重要だ」と話していたのをよく覚えています。
臨床での経験
私自身、膝ではなく脳卒中や脊髄損傷の患者さんを担当していた頃、
電気刺激を用いて筋収縮の感覚を引き出し、動きが出るようになったケースを何度も経験しました。
ただし、病院で使用する高性能な電気治療器と、市販の安価な機器では出力や精度が大きく異なります。
そのため、同じような効果を期待するのは難しいと感じたこともあります。
とはいえ、道具は使いようです。
適切な目的と方法を理解して使えば、電気治療にも一定の価値はあります。
膝痛への電気治療は慎重に
特に膝の痛みに対しては、電気治療に懐疑的な意見も多く、
私自身も「相当考えて使わないと効果が出にくい」と感じています。
電気治療を受ける機会がある方は、「痛みを一時的に和らげる補助的な手段」
として捉えたうえで活用すると良いと思います。

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