先日、小平市から来られた60代の女性が、人工膝関節置換術(TKA)を受けられた後にこんな体験をされたそうです。
手術後、医師より「人工膝関節は“世界一痛い手術”だ」と言われたことで強い不安を感じ、思わず涙がこぼれてしまったと。
私はこの話を聞いたとき、正直そのような話を耳にしたことがなかったため、文献などを調べてみました。
すると、実際に「術後の痛みが非常に強い」とされる所見はいくつか確認できました。
この女性が聞いた話は、どうやら術後の痛みに関するものだったようです。
もちろん、術後の痛みの程度には個人差があり、時間の経過とともに和らいでいく方もいれば、
長期的に痛みが残る場合もあることが分かってきました。
しかしながら、このような重要な情報を術後に突然伝えるのは、不親切ではないかとも感じました。
手術前にしっかりと説明されていれば納得できますが、手術が終わった後にこうした話をされれば、
「こんなに痛いと知っていたら、手術はしなかったのに…」という気持ちになるのも当然です。
この女性も、もし事前に知っていたら手術は受けなかったかもしれないとおっしゃっていました。
また、「術後は痛みが強い」と伝えるだけで、不安や恐怖心を煽ってしまう言動には注意が必要だとも感じました。
人工膝関節置換術は、もともと変形性膝関節症などによる慢性的な痛みを緩和し、
日常生活を改善することを目的としています。
なのに、その手術によってさらに強い痛みを伴うという説明があれば、不安になるのは当然です。
私はこれまでリハビリの現場で「大丈夫ですよ」と伝えることで、多くの方が安心される様子を見てきました。
説明の仕方一つで、相手の心理状態や信頼感は大きく左右されるのだと思います。
この女性には、「今はつらくても、痛みは徐々に取れていきますよ」と説明しました。
また、「痛みそのものよりも、不安や恐怖心をどう取り除くかが大事なんですよ」ともお伝えしました。
これから人工膝関節置換術を受ける方も、ぜひ不安なことは遠慮せずに医師やスタッフに質問してください。
「分からないことは分からない」と口にする勇気が、手術への理解と安心に繋がると私は考えています。
聞きにくい空気があるのも事実かもしれませんが、
聞かなかったことで後悔するより、聞いて納得する方がずっと良いと思います。

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