昨日、両側の人工膝関節置換術を受けた80代後半の女性が来院され、本日が3回目の施術でした。
前回の施術後に痛みが出たとのことでしたが、痛みの特徴を伺うと、
膝そのものではなく腰由来の痛みで、坐骨神経痛の症状に近いものでした。
人工膝関節自体の状態が悪いわけではありません。
むしろ問題は、体の使い方のクセが強く残っていることにあります。
可動域も比較的良く、動き自体も悪くありませんが、膝を曲げる動作が怖く、
膝をほとんど曲げないまま歩くという特徴があります。いわゆる「膝をかばった歩き方」が残っている状態です。
日常生活について伺うと、家事は娘さんと分担しているものの、
洗濯や掃除などはほぼご本人が担当されているとのことでした。
今回痛みが出た理由を探ると、膝を曲げるのが怖いため、膝を固定したまま腰を曲げて作業していたことが分かりました。
人工膝関節の方にはよく見られる動作で、痛みの原因になりやすいものです。
また、人工膝関節の方は痛みの表現が曖昧になりやすく、「痛い」と「怖い」が混ざってしまうことも多いため、
慎重に様子を見ながら進めています。
現在の医療制度では、人工膝関節術後のリハビリ期間が短く、
退院後に「どこでリハビリを続ければいいのか分からない」という方が多く来院されます。
術後のリハビリ方法を聞いていても、実際の生活の中でそれをすぐに実践できないケースが多いのが現状です。
そのため私は、
「では、こういう時はどうすればいいですか」
と患者さんが質問しやすいように促しながら、生活動作の工夫を一緒に考えることを大切にしています。
整形外科を受診しても、
「何を聞けばいいのか分からない」という方も多く、術後管理の難しさを感じます。
人工膝関節の手術は一般的な手術ですが、術後のリハビリを適切に行わないと後々困るケースも多く、
術後管理は非常に重要です。
しかし、医療制度の中では術後の細かな生活指導までは十分にフォローされないこともあります。
また、リハビリは担当者の経験年数によって差が出やすい分野でもあります。
私はこれまで多くの症例を見てきた経験から、生活環境や動作の癖を丁寧に聞き取ることで、
必要な判断ができると感じています。
今回の方には、しゃがみ込み動作を無理に行わず、クイックルワイパーのような道具を使って、
膝を曲げずにできる掃除方法を提案しました。
人工膝関節術後の生活で悩まれている方は多いと思います。
ぜひコメントを残してください。

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