変形性膝関節症にスクワットは良くない。

先日、国立市から60代の男性が来院されました。

この方はスポーツジムでスクワットを行った際に膝を痛めてしまったとのことでした。

変形性膝関節症に対する一般的な治療戦略のひとつに「筋力強化」があります。

これはエビデンスレベルが高く、否定しにくいのが現状です。

しかし、筋力強化をすればすべてが良くなるわけではありません。

筋力がある方が良いのは当然ですが、間違った方法での筋力トレーニングは、かえって症状を悪化させます。

今回の方だけでなく、以前来院された数名の方も同じように「スクワットで悪化した」と訴えていました。


目次

■ なぜ悪化するのか

問題は「筋力トレーニング」という概念に縛られ、痛みを無視して無理に続けてしまうことにあります。

私が回復期リハビリテーション病院で勤務していた頃、

その病院では脳梗塞や大腿骨頸部骨折の患者さんに対し、

立ち上がり練習を1日300回行うというプログラムがありました。

しかし、膝を痛めてしまい継続できない方が多くいました。

一方で、私が担当した患者さんの多くは300回をクリアし、中には午前300回・午後300回の合計600回行えた方もいました。

この違いは何かというと、

「痛みのコントロール」を徹底していたかどうかです。

痛みを適切に管理すれば筋力トレーニングは効果を発揮します。

しかし、痛みが出る状態で無理に続けると悪化し、最終的には100回すらできなくなるケースも多く見られます。


■ 特にスクワットは注意

スクワットは膝を深く曲げて負荷をかけるため、変形性膝関節症の方には負担が大きくなりがちです。

「最後までしゃがみ込むようにして筋力をつける」という考え方は、膝痛のある方には適していません。

私は、膝の痛みをコントロールする目的であれば、

膝の間にボールを挟み、膝をしっかり伸ばすトレーニングの方が効果が高いと感じています。

ボディビルダーのように筋肥大を目的とする方にはスクワットが合っていますが、

膝の痛みを改善したい方には別のアプローチが必要です。


■ まとめ

スクワット自体が悪いわけではありません。

しかし、変形性膝関節症の方が痛みを抱えたまま行うと悪化しやすいのも事実です。

膝の痛みがある方は、

  • 無理な深いスクワットを避ける
  • 痛みのコントロールを優先する
  • 膝を伸ばすトレーニングを取り入れる

このあたりを意識していただくと良いと思います。

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