最近、YouTubeやテレビで整体師が姿勢を評価し、患者さんに説明している場面をよく見かけます。
確かに、不良姿勢が痛みの一因になることはあります。しかし、私はそれを“100%の原因”とは考えていません。
ヨガやピラティスのインストラクターのように、日常的に姿勢を意識している職業の方は別として、
一般の方が姿勢を大きく変えるのは簡単ではありません。
特に強く意識し続けない限り、不良姿勢の改善はなかなか定着しないのが現実です。
また、整体院などでよく見かける「姿勢のビフォー・アフター写真」についても、私は少し懐疑的です。
以前、同業者が撮影したビフォーアフター動画を見たことがありますが、その方を知っているからこそ言えるのですが、
確かに形を整えることはできます。
しかし、それは“本質的に変わった”というより、単に見た目を整えただけに過ぎないと感じました。
多くのビフォーアフター写真も同じようなものだと思っています。
私がより大事だと考えているのは、「姿勢が整ったように見えること」ではなく、「痛みが軽減すること」です。
形だけを無理に整えても、バランスが崩れたままでは根本的な改善にはつながりません。
まず柔軟性を高めることで、不良姿勢が痛みの原因として働く割合は確実に減ります。
実際、不良姿勢の方は多くいますが、痛みがまったくない人もたくさんいます。
以前、東大の研究でも興味深い結果が報告されています。
背骨のS字カーブを調べたところ、S字が崩れていても痛みや変形性関節症が出ていない人が一定数いたというものです。
つまり、「姿勢が悪い=痛みが出る」という単純な関係ではないということです。
さらに、私たちがよく見る人体模型は非常に整った形をしていますが、
あれは多くがドイツ系の体型をモデルにしていると言われています。
日本人の模型を見ると、意外とずんぐりむっくりしていて、そこまで“理想的な姿勢”ではありません。
このことからも、姿勢だけを痛みの原因として過大評価するのは適切ではないと分かります。
姿勢よりも、柔軟性や全身のバランスを整えることを優先する方が、痛みの改善には効果的だと私は考えています。

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